通常抜歯した部位が、抜歯後にさほど痛みがなく、1ヶ月して痛むようになることは考えにくいことです。 もしかすると痛みの原因は抜歯した部位ではなく、 抜歯した周囲の歯かもしれません。 この点はもちろん周囲の歯の状況をみませんと判断はできませんので、 検査を受けていただければと思います。 また、抜歯した部位の治癒状況には、抜歯する前の状態にも大きく左右されますが、通常1ヶ月程度すれば、抜歯部が完全ではありませんが、ほとんど治ってきます。 抜歯部が治らないことの原因の一つとして、 ドライソケットという状態があります。 抜歯した後には、穴の中から出血が起こり、血が固まります。 この固まった血は、血餅(けっぺい)と言い、かさぶたのようなものです。 抜歯後にうがいをしすぎてしまったりした場合には、この血餅が取れてしまうことがあります。 そうなると抜歯した穴が塞がらないため、穴が開いた状態が続きます。 こうなると痛みが起こります。 治療方法としては、再度血餅を作ることが必要になりますので、 麻酔をして出血をさせます。 しかし、痛みはないとのことですので、ドライソケットという可能性は低いかと思いますが… また、そうしたこと以外にも 患者様ご自身の体調やご病気が原因でも痛みが続いたり、抜歯部が治りにくいこともあります。 例えば、糖尿病の問題がある方では、抜歯部が非常に治りにくいことがあります。 また、骨粗鬆症で薬(ビスフォスフォネート薬)を服用されている場合にも抜歯部が非常に治りにくいことがあります。 また、抜歯後に再度レントゲン撮影を行っているようなので、 考えにくいですが、抜歯部に折れた歯の一部が残っている場合には、 後から腫れてくることもあります。 さまざまなことが考えられますので、 周囲の歯かもしれませんので、一つ一つ検査を行い、 判断していくしかないかと思います。 症状が続いているのであれば、早めに再度受診して検査を受けられた方が良いでしょう。
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